過去問 問題一覧

国家試験の問題は、ご希望の受験年度をクリックすると、学習できます。

問題番号から学習する場合…

試験回数別に編集しています。学習される国家試験の回をクリックすると学習できます。

問題文から学習する場合…

出題年度や類題を学習する場合は、下の検索ボックスにキーワードを入力し検索してください。

 

過去問 解答解説一覧

国家試験の解答解説は、ご希望の受験年度をクリックすると、学習できます。

1-1_20231030095404456.png 2_20231030100208240.png 3_20231030100208252.png

113回看護師国家試験 午後問題106~120

次の文を読み106~108の問いに答えよ。
 
 Aさん(32歳、初産婦)は、夫と2人で暮らしている。骨盤位のために妊娠38週0日に予定帝王切開術で午前11時に男児を出産した。分娩時出血量は480mLであった。出生後、手術室で男児と面会をして「無事に生まれてきてくれてありがとう」と話した。帰室後、子宮底は臍高、硬度良好、悪露は赤色で20gであった。後陣痛と創部痛があり夜間に鎮痛薬を使用した。
 
 
問題106 帝王切開術後1日、午前9時、子宮底は臍下1横指、硬度良好、バイタルサインは体温36.9℃、呼吸数18/分、脈拍72/分、整、血圧110/70mmHgであった。夜間に排ガスを認めた。Aさんは「痛み止めを使用した後は眠れましたが、また痛みが出てきました。こんな状態で動けるか心配です。この後の予定を知りたいです」と話した。
 このときのAさんへの説明で適切なのはどれか。
1.「入院中は毎日、タオルで身体を拭きます」
2.「膀胱に入れている管は明日抜きます」
3.「今日から歩行を開始します」
4.「食事は明日からです」
 
 
問題107 帝王切開術後3日、子宮底は臍下3横指、悪露は褐色であった。乳房に熱感があり、乳管は左右とも3本開通しており、移行乳の分泌を認める。看護師が訪室するとAさんは「まだ、お腹の創が痛くて、動くのはつらいです」と話す。慣れない手付きで児に授乳しながら「上手にできなくてごめんね」と児の顔を見て語りかけている。Aさんと児の目と目が合う様子がみられる。
 アセスメントで適切なのはどれか。
1.子宮復古が遅れている。
2.乳汁分泌が遅れている。
3.母子相互作用がみられる。
4.マタニティブルーズである。


問題108 帝王切開術後5日、診察の結果、明日退院することになった。Aさんの乳房は緊満しており、乳管は左右とも5、6本開通している。母児同室を行い、児の哺乳の欲求に合わせて1日10回の授乳を行っている。「母乳で育てたいと思っています。でもおっぱいが張ってつらいです。この子も上手に吸ってくれません」と看護師に話した。
 このときの看護師の説明で適切なのはどれか。
1.「授乳の回数を減らしましょう」
2.「授乳前に乳輪を柔らかくしましょう」
3.「授乳と授乳の間は乳房を温めましょう」
4.「乳房の緊満が強くなるのはこれからです」
 

 


次の文を読み109~111の問いに答えよ。
 
 Aさん(65歳、男性)は、妻と自営業を営んでおり、2人で暮らしている。2か月前に仕事で大きな失敗をし、謝罪と対応に追われ、あまり夜に眠れなくなり、食欲不振が続いている。1か月前から気分が落ち込み、仕事で妻から間違いを指摘されたことで自信をなくしていた。Aさんは死んでしまいたいと思い、夜に自宅でロープを使って自殺を図ろうとしたところを妻に見つけられた。妻に付き添われ、精神科病院を受診し、うつ病と診断された。受診当日に入院し、抗うつ薬の内服が開始された。Aさんは「生きていても仕方がない。どうせ誰も分かってくれない」と看護師に話した。
 
 
問題109 このときの看護師の対応で適切なのはどれか。
1.「生きていれば良いことがありますよ」
2.「薬を飲むと数日で効いて楽になります」
3.「悲しいことが続くときは誰にでもあります」
4.「Aさんがつらい状況にあることを私は心配しています」
 
 
問題110 Aさんはその後しばらく会話をしたり、食事も少し食べられたりしていたが、入院3日から、臥床したままで1日中全く動かず、昏迷状態になった。検査の結果、軽度の脱水以外の異常はなかった。治療として修正型電気けいれん療法が開始されることになり、実施後20分でAさんは覚醒し、その後の観察中にけいれん発作は認めなかった。実施後30分、Aさんは突然起き上がり興奮し、大きな声で「仕事に行く」と言って病室から出ていこうとした。看護師が制止し、一緒に座って話を聞いたところ、見当識障害、記憶障害、注意障害が認められた。
 Aさんの状態で正しいのはどれか。
1.せん妄
2.躁状態
3.不安発作
4.前向性健忘


問題111 入院1か月が経過し、Aさんは夜間の睡眠がとれるようになり、食事は全量摂取している。妻から間違いを指摘されたことを思い出し、「何をやってもきっと失敗するだけだ。今度はもっと大きな失敗をして仕事を辞めることになる。だから自分はだめな人間だ。努力しても意味がない」と看護師に言った。
 Aさんへの治療法で最も適切なのはどれか。
1.森田療法
2.集団精神療法
3.認知行動療法
4.社会生活技能訓練〈SST〉
 

 


次の文を読み112~114の問いに答えよ。
 
 Aさん(24歳、女性)は大学卒業後、一般企業に就職したが、何度も自宅の鍵を閉めたかどうかを確認するため、遅刻を繰り返した。連絡せずに複数回の遅刻があったことを上司のBさんから強く注意され、うつ状態となったため精神科外来を受診したところ、強迫性障害と診断され、選択的セロトニン再取り込み阻害薬〈SSRI〉が処方された。
 
 
問題112 内服を始めて1週後、Aさんは看護師に「鍵を閉めたかどうかの確認が増え、睡眠時間が減ってつらい」と訴えている。
 看護師の声かけで適切なのはどれか。
1.「主治医に薬の変更を相談しましょう」
2.「睡眠状況を具体的に教えてください」
3.「Bさんに別の部署に異動したいと伝えてみましょう」
4.「鍵を閉めたかどうか気になるときは別のことを考えましょう」
 
 
問題113 受診に同行していた母親からは「Aから『私の代わりに鍵が閉まっているか見てきてほしい』といった要望が多い。それに従わないと『どうして私のつらさを分かってくれないの』と大きな声を出す。どのように関わればよいか分からない」と看護師に相談があった。
 母親への看護師の対応で適切なのはどれか。
1.要望に応じ続ける方がよいと助言する。
2.治療の効果が得られるまで待つように伝える。
3.母親が疾患をどのように理解しているか確認する。
4.Aさんが大きな声を出しても反応しないように助言する。
 
 
問題114 選択的セロトニン再取り込み阻害薬〈SSRI〉の内服を始めてから2か月が経過し、Aさんは外出中に鍵を閉め忘れたかもしれないという考えが強くなり、外出から予定より早く帰宅することがある。Aさんは「鍵を閉め忘れていないかの確認を減らしたい」と看護師に相談した。
 Aさんへの看護師の対応で適切なのはどれか。
1.外出を控えるよう助言する。
2.外出するときは誰かに付き添ってもらうよう提案する。
3.鍵の閉め忘れが気になる理由を考えてみるよう伝える。
4.鍵の閉め忘れが特に気になるときの前後の状況を振り返るよう促す。
 

 

 
次の文を読み115~117の問いに答えよ。
 
 Aさん(14歳、男子、特別支援学校の中学生)はDuchenne〈デュシェンヌ〉型筋ジストロフィーで両親、弟(7歳)と2階建ての家に4人で暮らしている。呼吸障害が進行したため非侵襲的陽圧換気療法を導入する目的で入院した。Aさんの呼吸状態は安定し、両親に対するバッグバルブマスクによる用手換気の指導が終了したため、自宅に退院し訪問看護を毎日利用して療養生活を続けることになった。両親は「日常の呼吸管理について退院後に対応できるか心配です」と病棟の看護師に話した。
 
 
問題115 Aさんの両親に対する看護師の指導で適切なのはどれか。
1.息苦しいときは非侵襲的陽圧換気の吸気圧を上げる。
2.人工呼吸器が動かないときはすぐに救急車を要請する。
3.人工呼吸器が過剰送気を示すときは回路が外れていないか確認する。
4.マスクの周囲から空気が漏れるときはマスクのベルトをきつく締める。
 

問題116 退院後1週。Aさんの父親から「最近、大雨や落雷、地震による被災の報道が多くて、Aは人工呼吸器を付けているし、弟もまだ小さいので不安です。災害に備え何をすればよいでしょうか」と訪問看護師に相談があった。
 訪問看護師がAさんの父親に説明する内容で優先度が高いのはどれか。
1.非常用電源の選び方
2.福祉避難所への移動手段
3.足踏み式吸引器の使用方法
4.ハザードマップの確認方法
 
 
問題117 退院後6か月。Aさんは人工呼吸器を装着して特別支援学校に通学することにも慣れてきた。Aさんの母親から「弟がインフルエンザと診断された。弟は2階の子ども部屋、Aは1階のリビングで過ごしている。家族全員がインフルエンザの予防接種を受けた。Aにインフルエンザがうつらないか心配」と訪問看護師に連絡があった。
 訪問看護師の対応で適切なのはどれか。
1.Aさんが特別支援学校を2週間休むことを勧める。
2.Aさんが感染予防の目的で入院することを医師に相談する。
3.Aさんは予防接種を受けているのでうつらないと説明する。
4.ケアを父母で分担し、弟の担当は弟以外と接触しないことを提案する。
 

 

 
次の文を読み118~120の問いに答えよ。
 
 Aさん(72歳、男性)は、妻と2人暮らしで子どもはいない。定年後は2人で旅行するのが趣味であった。Aさんは、1か月前から残尿感や夜間頻尿が気になり病院を受診した結果、前立腺癌と診断され根治的前立腺摘出手術を受けた。退院後は、手術後の補助療法として、外来で放射線の外照射療法を行うことになっている。
 

問題118 放射線外来の看護師が行うAさんへの説明で正しいのはどれか。
1.「入浴直後に照射部位の観察をしましょう」
2.「照射後は照射部位に冷湿布を貼りましょう」
3.「照射部位の皮膚は乾燥させておきましょう」
4.「照射部位は強くこすらないようにしましょう」
 

問題119 Aさんの放射線療法が開始され初回の照射を終えた。放射線外来の看護師は、終了後にAさんへ声をかけた。Aさんは「ベッドは硬いし、最後まで同じ姿勢でいることがとても苦痛です。大きな音がするので恐怖も感じます」と訴えた。
 このときの看護師の説明で正しいのはどれか。
1.「次回から照射中は傍に付き添います」
2.「治療体位をとるための固定具を工夫してみます」
3.「照射時間を短くできるよう主治医に相談してみます」
4.「照射中に体位変換ができるよう放射線技師に相談します」
 

問題120 Aさんが放射線治療を終了して半年後、腰部と右大腿部の痛みが出現した。倦怠感と食欲不振が続いたため病院を受診し精密検査を受けた。骨転移していることが分かり、Aさんと妻に主治医から余命と治療方針の説明があった。Aさんはその場で「痛みを取り除いてほしい。つらい治療は受けたくない」と訴え、3日後に緩和ケア病棟に入院した。
 入院翌日、受け持ちの看護師Bが、プリセプターである看護師に「今朝、奥さんの顔色が悪くふらついていたので声をかけると『夫の最期を受け入れられない気がして不安です』と打ち明けられました。昨夜も眠らずにAさんに付き添っていたようでした。奥さんにどう対応したらよいのでしょうか」と相談した。
 プリセプターである看護師が看護師Bに助言する内容で適切なのはどれか。
1.妻がAさんの死を受け入れられるよう妻を励ますこと
2.妻がAさんへの思いを看護師Bに語る時間をつくること
3.Aさんの予後について再度主治医から妻へ説明するよう調整すること
4.妻がAさんの死を受け入れられるまで夜も付き添うよう妻に伝えること

看護師国家試験対策予備校
吉田ゼミナール

営業:月~土曜日 9:00〜20:00
〒799-1333 愛媛県西条市安用甲669-1
電 話 0898-35-2399
FAX 0898-35-2553