86回看護師国家試験 午後問題46~60
次の文を読み午後問題46~48に答えよ。
6か月の乳児。数日前から、鼻汁、咳、発熱などの風邪症状があり、一昨日から39℃台の高熱となった。近医で処方された抗生薬や解熱薬を使っても効果は全くなく、目の充血、不定形発疹も現れたので来院し、川崎病の疑いで入院した。体温39.2℃。呼吸数40/分。脈拍数142/分。血圧96/48mmHg。
午後問題46 入院時の症状の観察で優先度が低いのはどれか。
1.頸部リンパ節腫脹
2.手指の紅斑
3.口唇の発赤
4.出血斑
午後問題47 検査の結果、川崎病と診断された。
急性期の看護で適切なのはどれか。
1.体温は36℃台に維持する。
2.泣いたらすぐ抱くようにする。
3.哺乳を禁止する。
4.発疹に副腎皮質ステロイド軟膏を塗る。
午後問題48 アスピリン療法で症状が改善した。
退院後も持続してアスピリンを内服する理由で誤っているのはどれか。
1.発熱予防
2.血液凝固予防
3.冠動脈瘤予防
4.血管炎予防
次の文を読み午後問題49~51に答えよ。
23歳の初産婦。妊娠35週3日に破水した後、陣痛が発来し入院した。入院後3日間、陣痛を抑える処置を受けたが効果がなく2,300gの男児を出産した。分娩の所要時間は10時間で分娩第2期に時間を要し、胎児仮死で鉗子分娩が行われた。出生1分後のアプガースコアは6点、口腔内の吸引などが行われ、10分後にアプガースコアが9点になった。保育器への収容を計画し準備した。
午後問題49 この新生児のアセスメントで正しいのはどれか。
a.正期産児である。
b.低出生体重児である。
c.感染の危険性がある。
d.1分後のアプガースコアは正常である。
1.a、b 2.a、d 3.b、c 4.c、d
午後問題50 新生児は保育器に収容された。
生後1日の新生児の看護で適切なのはどれか。
a.低血糖状態に注意する。
b.頭部を低くし頭蓋内圧を下げる。
c.黄疸に注意する。
d.呼吸状態に注意する。
1.a、b 2.a、d 3.b、c 4.c、d
午後問題51 母親は母乳哺育を希望している。
産褥2日の母親への看護で適切でないのはどれか。
1.母児接触の有効性について説明する。
2.新生児と接触する際には手洗いをするよう説明する。
3.母乳は産褥3日から開始するよう説明する。
4.新生児の経過について説明する。
次の文を読み午後問題52~54に答えよ。
36歳の経産婦。夫、4歳と2歳の子どもの四人暮らし。妊娠37週に2,600gの女児を分娩した。胎盤の娩出が不完全なため、胎盤鉗子で子宮内容物を除去した。出血量は680mlであった。産褥2日の朝、疲れを訴え食欲もなく無気力な様子で授乳も休んでいる。乳房に軽度の熱感と緊満とがある。子宮底は臍高で軟らかい。体温37.0℃。脈拍数76/分。血圧110/80mmHg。
午後問題52 考えられるのはどれか。
1.妊娠中毒症軽症
2.マタニティ・ブルー
3.子宮復古不全
4.乳腺炎
午後問題53 産褥2日の看護で最も優先するのはどれか。
1.水分摂取を制限するよう説明する。
2.睡眠の環境を整える。
3.乳房の冷罨法を勧める。
4.子宮の輪状のマッサージを行う。
午後問題54 退院指導の項目で適切でないのはどれか。
1.養育医療
2.栄 養
3.家族計画
4.乳房の管理
次の文を読み午後問題55~57に答えよ。
29歳の既婚女性。特別養護老人ホームのヘルパー。無月経を主訴に来院した。最終月経は12月29日から5日間、月経周期は28日である。免疫学的妊娠反応は陽性、内診で妊娠性変化が確認され、妊娠8週0日と診断された。「結婚して2年、夫も子どもを希望していたのでうれしい。」、「6か月前から基礎体温を測定していた。」、朝、「吐き気が強く、ひどい時には吐いてしまいつらい。」、「仕事がおなかの子どもに負担をかけてしまうのではないかと心配だ。」と話す。
午後問題55 誤っているのはどれか。
1.ネーゲル概算法による分娩予定は10月6日である。
2.超音波断層法で胎児心拍動を確認できる。
3.基礎体温は高温相を呈している。
4.子宮の大きさは手拳大である。
午後問題56 この時期にみられる妊娠性変化はどれか。
a.シュレーデル徴候
b.キュストネル徴候
c.ピスカツェック徴候
d.ヘガール徴候
1.a、b 2.a、d 3.b、c 4.c、d
午後問題57 この日の指導で適切でないのはどれか。
1.仕事の内容を確認する。
2.母子健康手帳の活用を勧める。
3.次回の妊婦健康診査は6週後であると説明する。
4.性器出血に注意するよう説明する。
次の文を読み午後問題58~60に答えよ。
29歳の初産婦。妊娠39週4日。本日、午前3時から10分間欠の陣痛が発来し、午前8時に夫に付き添われ入院した。「夫と一緒に出産準備教室にずっと通い、楽しみにしていた日がようやくきた。」と笑顔で話していた。入院時の陣痛間欠は5分、発作は20秒であった。子宮底長は33cm、レオポルド触診法で産婦の右側腹部に胎児の小部分を触れ、下腹部に硬い球状のものを触れた。内診の結果、子宮口は3cm開大し分娩経過は順調である。昨日から軟便気味で来院前に排便があった。正午には体温37.2℃。脈拍数76/分。陣痛間欠は3分、発作は30秒で未破水である。粘血性のおりものが増量してきた。産婦は昼食をとらず、ベッド上で体を硬くして「隣りのベッドの人に先を越された。いつ生まれるのかしら。」と涙ぐむ。夫は産婦の傍らで心配そうな顔をしている。
午後問題58 入院時のアセスメントで適切なのはどれか。
a.分娩第Ⅰ期である。
b.胎児は第2頭位である。
c.浣腸は必要である。
d.廊下歩行は可能である。
1.a、b 2.a、d 3.b、c 4.c、d
午後問題59 正午の時点の看護で適切なのはどれか。
a.飲食をしないよう指導する。
b.努責を開始するよう指導する。
c.排尿の状態を確認する。
d.気分転換を図るよう働きかける。
1.a、b 2.a、d 3.b、c 4.c、d
午後問題60 夫への指導で適切でないのはどれか。
1.現在の分娩経過を説明する。
2.異常出血が考えられると説明する。
3.産婦がリラックスできる方法を指導する。
4.立ち会い分娩の希望を確認する。