97回看護師国家試験 午後問題76~90
次の文を読み、午後問題76~78の問いに答えよ。
妊娠39週。体重3,100gで正常に出生した生後12時間の新生児。体温36.8℃。心拍数144/分、呼吸数62/分。呼吸はやや不規則、肺雑音(-)。顔面に点状出血が少量みられる。おむつにはレンガ色のしみがみられる。
午後問題76 児のアセスメントで最も注目すべき情報はどれか。
1.顔面の点状出血
2.呼吸数
3.呼吸の不規則性
4.おむつのレンガ色のしみ
午後問題77 日齢3日。体重2,950g。体温37.0℃。心拍数132/分、呼吸数50/分。血清ビリルビン値7mg/dl。排尿6回/日、排便2回/日。児の啼泣に合わせて母乳を与えている。母親から「昼も夜も2時間おきに泣くのでそのたび授乳していますが、これで良いのでしょうか」と相談を受けた。
対応で適切なのはどれか。
1.「夜間は粉ミルクを足しましょう」
2.「今のような授乳の仕方で良いですよ」
3.「糖水を足して授乳回数を減らすと良いでしょう」
4.「泣いたら授乳するのではなく3時間ごとにしましょう」
午後問題78 日齢4日。体重2,950g。体温37.2℃。心拍数136/分、呼吸数45/分。頭部から体幹にかけて皮膚の黄染がみられ、血清ビリルビン値10mg/dl。排尿8回/日、排便4回/日。大泉門は平坦である。臍輪部に発赤はないがやや湿潤している。
児のアセスメントで適切なのはどれか。
1.正常経過である。
2.体重増加不良である。
3.臍部に感染兆候がみられる。
4.病的黄疸の兆候がみられる。
次の文を読み、午後問題79~81の問いに答えよ。
30歳の経産婦。妊娠41週5日。規則的な陣痛が発来し午前10時に入院した。入院時診察で、子宮底長32cm、腹囲88cm。血圧112/70mmHg。尿蛋白(-)、尿糖(-)。分娩監視装置を装着した結果、4~5分間欠の陣痛がみられ、胎児心拍基線は140bpmであった。午後1時、淡緑色の羊水の流出がみられた。
午後問題79 この時に確認することで優先度が高いのはどれか。
1.排尿時間
2.胎児心拍数
3.羊水の流出量
4.陣痛発作時間
午後問題80 午後2時、体重3,050gの児を分娩した。1分後のアプガースコアは6点で口鼻腔吸引が行われた。5分後のアプガースコアは9点であった。
児に最も起こり得るのはどれか。
1.上気道閉塞
2.低酸素性虚血性脳症
3.胎便吸引症候群(MAS)
4.呼吸窮迫症候群(RDS)
午後問題81 生後2時間。腋窩温36.2℃。心拍数125/分、呼吸数56/分。陥没呼吸(-)、呻吟(-)。四肢末端にチアノーゼが軽度みられる。
児に優先して行うケアはどれか。
1.沐 浴
2.保 温
3.授 乳
4.酸素投与
次の文を読み、午後問題82~84の問いに答えよ。
58歳の男性。統合失調症。17年前に入院し、現在は開放病棟に入院している。常に幻聴があるが、日常生活に支障はない。病棟では作業療法に参加している以外に活動はせず、決まった患者と決まった場所に座って過ごしている。退院後1人暮らしをする予定の自宅へ週1回の定期的な外泊を繰り返している。
午後問題82 患者は外泊を定期的に行っているが、今後の治療や新たな活動について話そうとすると「今テレビで私のことを放送しているから待って」と避ける様子がみられる。
患者への対応で最も適切なのはどれか。
1.作業所の見学を計画する。
2.外泊中の生活について尋ねる。
3.幻聴があるので話しかけない。
4.1日の活動の時間割を看護師が作成する。
午後問題83 現在の患者は身長169cm、体重63kg。この2か月間で体重が5kg増加した。患者に体重が増えたことを注意しても「別にそんなことはないよ。大丈夫だよ。食べてないよ」と逃げてしまう。
患者の発言の解釈で適切なのはどれか。
1.否 認
2.投 影
3.同一化
4.昇 華
午後問題84 血液検査の結果、空腹時血糖120mg/dl、総コレステロール180mg/dl、トリグリセライド230mg/dlであった。患者は1か月前から非定型抗精神病薬の服用を開始している。
今後最も注意すべき観察項目はどれか。
1.睡 眠
2.運 動
3.血糖値
4.血中コレステロール値
次の文を読み、午後問題85~87の問いに答えよ。
35歳の男性。浪費と近所の人に対する暴力のため入院した。20歳代から精神科外来に通院し、気分安定(感情調整)薬が処方されているが、服薬を中断して入退院を繰り返している。入院には同意しているが、看護師に対して大声を出して威嚇し、足で蹴ろうとする。食事と水分は、この5日間ほとんど摂っていない。
午後問題85 この時点の患者のアセスメントで正しいのはどれか。
1.躁状態
2.緘黙状態
3.せん妄状態
4.幻覚妄想状態
午後問題86 患者は服薬を勧める看護師に「おまえは俺を廃人にしようとしている。俺をだまそうとしてもそうはいかない」と激しく攻撃したため、患者に必要性を説明した上で抗精神病薬を点滴静脈内注射し、休息を確保することになった。
最も優先される観察項目はどれか。
1.排 泄
2.体 重
3.発 熱
4.嘔 気
午後問題87 入院後5週が経過し、患者は規則的に気分安定(感情調整)薬の内服を行うようになり、穏やかにスタッフや患者と会話ができるようになった。現在、朝と就寝前の2回、合計4種類の錠剤を自己管理で内服している。ある朝、担当看護師に「薬を飲むと口がピリピリする」と相談があった。
この時の対応で適切なのはどれか。
1.「薬をやめてみますか」
2.「主治医に言ってください」
3.「気にしない方がよいですよ」
4.「どの薬を飲むとそうなりますか」
次の文を読み、午後問題88~問題90に答えよ。
52歳の男性。会社員。9年前にアルコール依存症のために入院し、3か月のアルコール依存症リハビリテーションプログラムを受け退院した。退院後は自助グループに参加しながら順調に断酒を続けていたが、最近の半年間は参加していなかった。5日前から連続飲酒を始め、やめることができずに家族に付き添われて精神科病院を受診した。患者は、医師の説得に応じて2度目の入院をした。
午後問題88 入院形態はどれか。
1.措置入院
2.応急入院
3.医療保護入院
4.任意入院
午後問題89 入院直後から粗大な全身の震え、不眠、多量発汗がみられた。眼振はなかった。前回の入院時には、入院3日に「壁中に虫がはい回っている」と訴え落ち着かない状況があった。
今後の状態で最も予測されるのはどれか。
1.肝性脳症
2.振戦せん妄
3.ウェルニッケ脳症
4.アルコール性認知症
午後問題90 入院10日、患者は自信なさそうに「9年間もやめられたのに、どうしたんだろう。これからどうやってお酒をやめていけばいいのだろう」と看護師に相談した。
この時の対応で適応なのはどれか。
1.「なぜ飲酒したのですか」
2.「強い断酒の意志を持つとうまくいきます」
3.「もう一度自助グループに参加しましょう」
4.「退院後すぐ会社復帰すればやめられます」